国内MBAのススメ

人生変えたくなったら考えてみよう。日本のビジネスパーソンにもっと学びを。mbajapan@outlook.jp

MBAノートを書いていますか

日本では日記をつけている人はオンライン含めてかなりの割合でいることだろう。Facebookも一種の日記のような内容でタイムラインを埋めているひとが多い。

日記は英語でダイアリー。英米圏では日々の記録をもう少し具体的にかつ人生の残すべき記録としてジャーナルという考え方がある。典型的なものとして米国のビジネスマンがよく書いているサクセスジャーナルなんてのもある。

 

徒然なるままの日記と何が違うかというとやはりジャーナルの場合は目標達成のための記録、振り返りのための具体的内容そして進捗を測るツールという性格だろう。

 

MBAを目指す人にはぜひ書いてほしいのがMBAノート(ジャーナル)。何を学ぶためにいくのか、いつ行くのか、そのためには何が必要で何が足りないのか。そしてできれば自分で納得していること、自信のレベル、経済的条件、通学環境はできているかなどを10点満点で今何点なのかなどを定期的にスコアリングすることをおすすめします。

もちろん具体的に受験勉強の進捗や専攻などについて調べたことを書くということでもいいでしょう。

書くことの効果は絶大で一か月も続けるといろんなもやもやが晴れ決断ができるようになってきます。またライティングセラピーという言葉もあるくらいですが不安な点なども書き出すことにより不安の元となっている感情が整理されすっきりしてきます。

 

このノート(ジャーナル)を毎日書くことで確実にMBAはあなたに近づいてきます。

国内MBAの活躍 番外編 国内MBAだから活躍の場は国内とは限らない

一橋大学大学院(神田の方)は「日本においてグローバルビジネスを学ぶ場を提供する」ということを標榜しており海外からの留学生が多いことでも知られる。

大学院の性格や方針によっても異なるがNon Japameseの学生受入に熱心なところも調べるとけっこうある。逆に単位互換で海外提携校で単位互換制度で「プチ留学」の道を開いている大学院もある。国内MBAだからといってなにもかもが国内で閉じているわけではない。大学院を選ぶ際に国際化度を基準にしてみるのもありえるのでは。

 

ちなみに経験の範囲では、海外からの留学生は概ね意欲的で魅力的なキャラクターの方が多いような気がする。

意外と知られていないのだが、現在サムスン電子のCOO(最高執行責任者)であり、サムスングループの次期会長と目される李在鎔(イジサムスンェヨン)氏は慶應義塾大学大学院(KBS)の出身だ。サムスンのプリンスなんて言われており実質的にグループの顔となりつつある。これは例外的なビッグネームかも知れないが、とりわけ台湾、韓国からの留学組はかなり実績のある企業のジュニア(跡取り)がけっこういらっしゃる。こういった学生たちといっしょに勉強する幸運に恵まれたら得られるものは大きいのではないだろうか。

どんな仲間と一緒に学ぶのかはとても大事、説明会などで確認するポイント

経営専門職大学院ビジネススクール)は大学院としては学生数はやや多めだが基本何十人という小さな世界で学ぶ2年間。グループワークや研究室でのゼミ活動はさらに少人数で密度が濃い学びの環境にもなる。当然人間関係も濃くなる。

 

説明会や体験授業で必ず確認したいことはどんなプロファイルの在学生がそこで学んでいるかということ。

公開情報でも確認できることとして以下の点は必ずチェック!

 

  年齢構成比

  男女比

  職業・入学前前職

  留学生・外国人比率

 

できれば有職者在学生(フルタイムで働きながら大学院生)の業界も伺ったほうがいいと思う。興味深いのが医師、薬剤師、公認会計士などの高度な専門職の在学生がいるところもあること。こういう方とのいっしょの学びは貴重な体験となるだろう。

 

大学院はどこもにたようなものと考え、レベルや履修内容だけで選びがちだが上記のような点をつぶさに見ていくと意外なほど大きな違いが浮かび上がる。

多彩なバックグラウンドの仲間と学ぶ刺激はもちろん大事だけど同じ業界の人がいないというのも寂しいもの。どんどん大学院側にあたって調べてどんな大学院が自分に合っているかよーく考えよう。

国内MBAはいつ行くべきか

準備期間や入試の勉強など考慮した場合、それはずばり「一年以内」。

もちろん年齢や経験したキャリア(職歴)にもよる。20代で仕事を覚えて面白くなっている時期の人にとってはMBAを志しても決断が難しいところだろう。また、あまりビジネス経験を積んでいないうちにMBAの勉強は向いていない面もある。実際一定上の社会人経験を入学条件にしている大学院も多い。

今日、ここで考えたいのはもう少し上の年代の場合、30代、社会人経験10年以上くらいの年代とキャリアの場合。これも悩ましい面はあるが早ければ早いほうがよい。

今まで様々な国内MBA入学者を見てきて考えたその理由は、第一に問題意識を持ったその時が行き時。3年後なんて言ってる人で3年後に実際行った人はほとんどみたことがない。通うことには様々な困難が伴うが3年後その困難が軽減していることはまずなくて、ますます「行かない理由(行けない理由)」が大きくなっているだけだ。

次に、今の時代は変化も早い、ビジネスはスピード命の時代である。一生を逆算して考えてみると30代にとってフルにビジネスマンとして前進できるのは残り何年だろう。その中でさらにまた3年待ってからなんていうのは「機会損失」そのもの。さっさととってその3年間でそれを活かしてビジネスライフをさらに充実させたらよいのだ。

大体にしてビジネス能力は決断と実行のスピードに比例する面が極めて強い。何年後かになんて考えているのは人生にとってMBAが必要だと真剣に考えていないか自分の行き詰まりにほんとうの「痛み」を感じていないのだ。

また、個人の自由と言ってしまえばそれまで、強くいうことでは無いが、ビジネスライフが下向きあるいは引退直前で大学院に通っても若者に交わって積極的な授業参加ができなかったり隠居気分で昔話をして授業の妨げになることすら考えられる。残念だけどこれは実態としてある。

 

そもそも、幸いというか国内MBAは一部のフルタイム大学院を除いて入試そのものはそれほど難しくない。(GMATや高度なエッセイを要求される一部の海外MBA大学院は事情が異なる)入試の試験というよりそれまでのキャリアや考え方を選抜では見られるのだ。「入試勉強」を2年も3年もして人生の残り何十%の期間を先延ばしするのはあまりにもったいない。

よーし、一年以内に行くぞと「決断」することが大事なのだ。

 

Go! 「MBAチャレンジサポート」 5月18日開催

入学シーズンが過ぎ、5月になるとまた説明会や体験授業などイベントの案内が増えだす。

 

https://www.mba-alliance.com/#school

 

 

これは有力MBA大学院が有志で運営する「MBAアライアンス」実行委員会によるもの。今回は中央大学明治大学そしてBBT(ビジネスブレークスルー大学院大学)が参加。MBAホルダーと転職支援会社の目から見たMBAホルダーの価値の2つの講演と懇親会。

私の持論は国内MBAをよく知るいちばんの方法は体験者のお話を伺うこと。日曜半日かけて行ってみても価値があるのではないだろうか。

 

自分は何者でどこに向かって歩いているのか

ちょっと国内MBAの話題とはずれるが、先日海外MBA留学支援で大きな実績のある青山TGセミナーのイベントに参加してきた。こちらは1997年以来のべ500名以上の海外MBA留学を実現させてきた留学準備予備校の老舗。同セミナーはその教育内容だけではなく、伊藤ファウンダーのワークライフバランスを追求したライフスタイル、情報発信力などでも多くの注目を集める存在。

先日の会合はサロン形式で、MBA取得者のインタビューなど交えた充実の内容。そのなかでもケロッグ校OBでマッキンゼーなどを経て現在起業しているO氏のコメントが、「MBA取りに行くこと」の意義について考えるヒントとして秀逸な内容でしたのでここで共有させていただきます。

海外MBA入試の肝は提出するエッセイが極めて重要だという事情もあるが、社会人になって学び直すということの意味ついて考えるその姿勢はすべての人にとって参考になるものだと思う。同氏はそれについて鮮明な道筋の引き方を示してくれている。もっともその道筋を実際に作って歩くのはあくまで自分自身なのではあるが。

同氏によるとMBA取得のメリットのひとつは、いろんなことが総合的に考えられるようになったということ。これは国内外でのMBA取得を問わず、多くのひとがそのメリットを視野が広がったことをあげるのとほぼ同じ意味だろう。

同氏はさらに突っ込んで、アプリケーションを出すことから卒業まで常に考えたことは「自分は何者でどこに向かって歩いているのか」ということだったとおっしゃる。自分の人生のゴールとは何かについてその間徹底的に考え、そしてそのゴールに対し自らが「約束」をしたそうだ。他人の基準で生きるのではなく自分にカスタマイズした生き方を通す、そして残り何十年かの人生をそのためにどう使いたいのかについての「決断」をしたそうだ。

欧米人と比較して、日本人は一般に自分のライフを何年後、10年後そして何十年後どういう状態(to be)になっていたいかについて考える訓練(トレーニング)行われないまま過ごすと言われている。

残り何十年かの人生のうちMBAの2年間を、その後の10年後、20年後の人生をどうするかについて考えるまたとない機会と考えるのはどうだろうか。もちろん、別にMBAや社会人大学院でなくてもかまわないとは思うが、人はひとりではなかなか前進しにくい面もあるし、環境を無理矢理でも変えないと結局元の「日常」に回帰しやすい弱さもある。MBAを単なる金儲けではなく本当の豊かさ、経済的豊かさとは何かをを仲間と考える場にできたらその人は幸福だろう。このOさんのように。

 

 

ビジネス書に見る国内MBAホルダーの活躍

ひいき目ではないが最近いわゆるビジネス書やマネジメント系の雑誌記事で国内MBAホルダーの活躍に関する記事を散見するようになった。これはと思うものがあれば当BLOGでも取り上げてみたい。

今日はそういうわけで一橋大学の神岡太郎教授の新著「マーケティング立国ニッポンへ」の中で紹介されている宝島社の桜田氏(マーケティング部長)の事例。出版不況といわれる中で新しいマーケティングの取り組みで注目を集める同社の戦略について「マーケティング視点でバリューチェーンを統合する」という骨子で説明している。

詳しくは書けないが、従来雑誌毎に縦割りだった機能を社長以下、営業、広告、編集、宣伝、広報が一堂に会して意見をぶつけ合う場をつくり企業としてのバリューチェーン全体を通して議論し考えるという手法を取り入れたそうだ。同氏は大学院の授業のケーススタディーで取り上げられた企業の例からヒントを得て自社に目を向けてみたと解説している。確かに職人、職能そして媒体別に「サイロ」(縦割り)化がふつうの出版業界にあってはユニークな取組。

読んでみてなるほど、これはMBA取得のメリットの典型的なパターンではないかと感じた。つまりMBA課程で学んだ個別の経営に関する知識・スキルに加え「視野が広がった」ことが活かされているというものではないだろうか。同氏が優秀でチャレンジ精神があったことは確かだろうが、この視野の広がりをうまく活かした成果といえる。通ってみると会社の枠を超え視野の広がりを得られたというのはMBA取得の最大のメリットにあげる人は多い。そんな視点で学校選びをしてみたらどうだろうか。

 

マーケティング立国ニッポンへ

マーケティング立国ニッポンへ

 

 

MBA取得とパートナー探し?

今日はちょっとやわらかめの話題(笑)。やわらかいといっても人生にとっては極めて重要ななイベント、結婚について。

まったくもって個人的に経験した範囲の話で恐縮ですが、いろいろなMBA大学院の方々からお話を伺っていると「必ず」同期あるいは近い学年の院生同志のゴールインという話題が出てくる。最近は逆に「院生同志の結婚はその学年ではありましたか」なんてこちらから聞いてみることにしているが、これまたどこの学校でもほぼ少なくとも一組はあるというような答えが返ってくる。

今どきこの非婚時代に女子(女史?)比率の少なさ、多忙を極める院生ライフそしてそもそも既婚者比率が高いというMBA大学院ならではの事情から鑑みるにこれはちょっと意外。統計的にきちんと見れば正常値の範囲なのかもしれないが「今どきMBA結婚事情」のような特徴がそこはあるかもしれない。まさか婚活としてMBA取に行くという人はいないだろうが学位もとれて一生の伴侶もGetできたらこれは素晴らしい。

 

考えてみると、MBAを取ろうという人は男女とも少なくともある程度以上の収入はあるか、あったわけだし他の結婚に必要な社会的条件も整っているといえば整っている人が多いだろう。ひょっとしてパートナー探しの場として大学院というは理想的なのかもしれない。

 

学業と仕事の両立など厳しい環境ならではの志を同じくする者の共感性が愛に変化という事情もあるのかな。

もし日本がアメリカの後を追うとすると

日本で起きる様々な社会現象や構造の変化はアメリカの後を追っているという論がある。アメリカで起きていることはタイムラグの大小はあっても日本でもそうなるというやつだ。あるいは先進国共通の社会の変化の流れには共通の構造的な変化が見られると言ってもよいだろう。

そういう意味でも、もし日本でもそういった傾向が見られるようになるとすると専門職大学院の学位、学習歴(学歴とはあえて言わない)の価値は見直されかもしれない。

因果関係やその変化の順序は必ずしも検証されているわけではないが米国では見事なまでの所得と学歴(取得学位)が正相関になっている。

http://www.bls.gov/emp/ep_chart_001.htm

 

この米国労働省による統計では、所得は専門職学位修士)、博士、学部卒、短大、高校卒、高卒未満の順番、失業率はこの逆というのがはっきりしている。

米国でもこの傾向が強まったのは比較的最近らしいしまた現在でもまだ加速傾向にある。これはちょうど「社会格差」が話題になりだした流れと重なる。そういえば格差社会も日本ではアメリカの後を追うように議論になりだした。実は社会的格差・分断は学習歴格差と密接に関係しているという面があるのだ。

日本においては、雇用の硬直化や独特の反知性主義的傾向(学問やるとアタマでっかちで使えなくなるなどの言説)などがあるので若干事情は異なるかもしれないが、終身雇用の縮小などもあり高学習歴者の評価が高まって行くのはまちがいないのでは。

そういう意味でもMBA大学院およびその修了者たちの動向は要注目。

「この先生に教わってみたい」はMBA大学院でも大事

昔(専門職大学院制度の発足前)、大学院に行くというと文系(社会科学系)でもほぼ「特定のこの研究室に入って研究する」といったニュアンスや流れがあった。いわゆるMBA大学院は基本経営実務のゼネラリスト(文部科学省の表現では経営管理に関する高度専門職業人)育成がその目的とされており研究の師を求めてという空気は薄まった。それでも未だに特定の先生についてこういった研究や勉強をしてみたいという大学院らしさはまだ健在だしそういった選択基準で進学先を選ぶというには今でも充分意味があると思う。

実際にMBAの在学生、修了生に「どうしてその大学院を選んだのですか」と伺うと意外なほどXX先生につきたかったからという返事をいただくことも多い。極端かもしれないがビジネス・ブレークスルー大学院大学(BBT大学院)は院生のほとんどが大前研一ファンで同氏に薫陶を受けたいので選んだいってもいいのではないだろうか。(同大学院には他にもすばらしい先生はもちろんいらっしゃる)

 

大学院を選択する際にはいろいろなことを調べるとは思うが先生(複数でもいいと思う)を基準にしてみるのは自分の学びの視点を定めることにもつながる。たとえ修士論文を避けてプロジェクトレポート審査で修了を目指したとしても課程の後半の大部分は特定の研究室やゼミに所属する仕組みになっているのだし。そこではさらに学部とは桁が違う少人数での学びの場が待っている。

幸いどの大学院も力をいれて研究実績のある教授陣、あるいは個性豊かな実務家教員の確保を行っている。多くのそういった先生方は著作もたくさんあるし説明会でお話しをうかがう機会も得られる。

ちょっと自分のスコープを接近させてみて大学院という単位ではなくマイお気に入り先生を探すといった視野でじっくり大学院を見てみることをおすすめする。実際入学後「人生の師」に巡り合えたらなおよいだろう。いい齢に達してからの生涯の師にあえるチャンスもMBAのメリットかもしれない。

中央大学ビジネススクールがeラーニング開始

中央大学専門職大学院戦略経営研究科、ちょっとユニークな名称のビジネススクールだけど中身もそれに相応しく様々な特徴を打ち出している。法学の中央といった従来の同大学のイメージとはちょっと異なっているかもしれない(笑)

(実は経営法学にもちゃんと力は入れているようですが)

 

その中央大学ビジネススクールeラーニング開始し、学外からも視聴可能というので試してみた。まだコンテンツはひとつだけで、それも「さわり」なので若干肩すかし気味だが大学院の特徴や教育内容の一端を知るという意味では適切な講義ではないだろうか。

 

http://www2.chuo-u.ac.jp/cbs/e-learning/toppage.html

 

その唯一のコンテンツは野中郁次郎先生の正統伝道師ともいうべき遠山亮子教授による「知識創造戦略とイノベーション」(のさわり)。やはりSECIモデルを短時間で説明するのは無理があるのでそこから先は大学院に入ってからというのももっともなのでいたし方ないが、イノベーションの定義に始まり知識とは何か、知の創造とは、そして主観の重要性など明確な指針を極めて整理された内容で伝えてくれる。

とっかかりとしてはやや哲学的に聞こえるのが遠山先生の特徴かもしれないが豊富な実証研究に裏打ちされており言葉の定義もわかるように都度説明しえくれるのでいつの間にか引き込まれていくかもしれない。

もしこのeラーニング見てぶつっと切れたところから先にも興味を持たれた方はぜひ次の一冊を読むことお勧めします。

 

流れを経営する ―持続的イノベーション企業の動態理論

流れを経営する ―持続的イノベーション企業の動態理論

 

 

 

 

日本一よい立地の大学院?名古屋商科大ビジネススクールで管理会計のお話を伺う

「脱名古屋圏」で東京、大阪へと積極展開を図る名古屋商科大学ビジネススクール、東京校はなんと丸ビルの9階、10階だ。眺めは当然いい(笑)何かビジネスを学ぶぞという雰囲気には最高かもしれない。専門職大学院社会人コースの場合は通えてなんぼ、そういう意味では最高の環境を提供しようという大学院側の意気込みか。ちなみに本校の名古屋にもおそらくビジネススクールとしては日本では最大級の校舎は今秋のオープン目指して建設中だ。

 

さて、肝心の授業内容や提供プログラムだがこちらも積極的に海外の認証取得に動くなどさまざまな取組をしているようだ。教授陣をざっと見た印象ではいい感じで実務家教員、研究者そしてNon Japaneseが配置されているようだ。

 

今日はその名古屋商科大学ビジネススクールの公開授業にて金子智郎教授による「ビジネスの成否の裏に会計あり」という2時間の講義を賜った。たいへん濃く、しかも最新の情報や視点を取り入れた講義内容でここでサマリするのは難しいが、管理会計と聞くと「あー、カタイ会計の話か」と尻込みするのではなく管理会計はビジネスにどんな影響を与えるかについて一緒に考えましょうとうまくアイスブレークして始まった。

財務会計管理会計の違いをたいへんわかりやすく解説してくれた後ビジネス意思決定に必要なステップについて1.変動費と固定費を分ける 2.固定費を個別と共有に分ける

、そして3.個別固定費を管理可能性(コントローラブルか)に分ける。そのうえで管理可能個別固定費、そして結果として管理可能個別利益を把握という流れ。

さらに講義の締めくくりとしては「経営課題にあった管理会計の仕組みをとる必要がある、また管理会計の仕組みは絶対ではない、たとえば黒字化が事業部の経営課題の場合は細分化した管理がよいかもしれないし、成長戦略にはマトリクス型、協調型がよいのでは」という具合に柔軟性、ビジネスのデザインこそが重要と協調。損益を細分化して管理しないケースとしてアップル、Googleの例は腑に落ちた。

 

問題意識としては世の中、特に日本では営業利益だけで判断があまりに多いということだ。自分の経験含めても納得できる考え方だった。ちょっとでも興味持たれた方は著作も多数ある先生なのでぜひご覧になっていただきたい。

 

http://www.nikkei-nbsonline.com/course/lecture/kaneko.html

 

講義の中で微分のグラフやパレート図をやけに上手に書くなと思いきやなんと航空工学の勉強を収めたエンジニアリングを修めた方だった。そういう意味でも異色(日本では)の会計プロフェッショナルかもしれない。

 

名古屋商科大学ビジネススクール修士課程だけではなく単科プログラムにも力をいれておりそれもなかなか魅力的だ。この大学院の積極策は要注目。

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