国内MBAのススメ

人生変えたくなったら考えてみよう。日本のビジネスパーソンにもっと学びを。mbajapan@outlook.jp

KIT三谷宏治先生の授業はいつも刺激的

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私の大好きな三谷先生金沢工業大学虎ノ門大学院)の講義@六本木アカデミーヒルズ

 

正解がどーだというより「この円どっちが大きいかの答えに命かかっていたらどうやって判断する?」という問が重い。

 

命かかっていたら=制約とっぱらってやれることやって決めろ。

 

まさに戦略思考。

 

ちゃんと答え(正解はひとつではないが)合っていたよ。

 

MBA大学院 論述試験対策、実は役立つ大学受験参考書

最近は社会人受験者に配慮して英語の試験を課さない大学院も出てきてはいるが論述試験は必ずあり受験に際しては避けては通れない。

コミュニティでよく訊かれるのことでもあるが、大学院入試の論述試験対策ってどんな勉強をしたらいいのですかということ。

いくつかポイントがあるがずばり入試の論述試験は「経営学の知識」を問う内容ではないということ。慶應義塾大学京都大学の入試問題の傾向を見るとやはり最低限経営学の世界で使われる単語の基礎理解力を求められる傾向はある。たとえばアントレプレナーとか、現代の企業経営におけるアジリティというようなレベルの理解力は問われている。ただし、それにしても経営学というより社会科学全般、社会人として経済動向や企業経営を日頃どう見ているかという範囲だと思う。

 

入試準備(小手先の対策ではなく)は何したらいいのか。やはりそれは論理的記述力を鍛えること。課題文を読んで自分の考えを論理的、理論的に一定時間にまとめる力をつけることに尽きる。繰り返すが知識ではない。

私の体験としてはややハンディがあるなと思われるのは文学部、外国語学部などの人文科学系の学部を出た人。まずは社会科学的書き方になれる必要がある場合もある。詳しくはここでは書けないが入試対策本などで自分の文章の違いなどをチェックしてみることをおすすめします。

意外と役立つのは大学入試の論述対策の参考書。このたぐいの本にかかれている内容、正確に課題文を理解し、説明でき、自分のことばで論理的・構造的に表現するためにはどうしたらいいかは大学院入試でもまったく同じ。

なぜMBAを取得したいのか 入試対策する前に考えること

もともとこのBLOGを書くようになたきっかけは、管理職をしている同僚から「実は部下がXX大学のMBA大学院に行きたがっているので相談にのってあげてくれないか」と頼まれこと。同じような相談が比較的短期間によその会社の人含め続いてその際話した内容などを自分のメモ代わりに残そうと考えたことだった。

自分の反省や人生の課題全般にも通じることなので、その際必ず話すのは「なぜMBAを取りたいのか、その理由を紙に書いて整理、2年間と数百万円をかけるBIG WHYを腹落ちレベル、いや人生の深いレベルの目標になるまで整理すること」が最初の一歩ということ。

外資系の会社だったということもあり当時の相談者の多くのMBA取得したいという理由は「将来への不安」。大半の方は日常の業務を通じてビジネスプランのスキルやそれに必要な経営の具体的知識の不足を実感していた。資格でもなんでもないただの「学位」だが体系的に経営や企業・ビジネスの仕組み(それも最新の)を今身につけないとやばいという感覚だったように思う。

もちろん、他にも起業を目指しておりバックグラウンドとして経営やビジネスを学ぶ機会がなかったこと、また経理部門にいてさらに専門性を高めステップアップしたい、あるいは広告代理店でPRやブランディング実務をやっていたがいちどきちんと理論も学びたいなどなどいろんな方々がいた。さて自分にとっては「なぜMBA」はなんだろう。

 

MBAを取りたくなったら自分にとってのBIG WHYはなんだろうと今一度ぜひ紙に書いて整理してみるのは大切だと思う。

MBAってどんな勉強するの、どんなセオリーについて学ぶの?

 いわゆるMBA大学院で学ぶセオリーを網羅的に紹介している。

とてもよくまとまっているし、学問や研究というより評価も定まって実際の経営現場で語られる理論や手法についてていねいに書かれている。

規模の経済性のような戦略論で語られるものからハロー効果、認知バイアスなど心理学応用のマーケティング手法などについて説明している。

これ一冊をマニュアル的に使うのは無理があるかそれぞれの勉強を深める際のガイドブックにもなる。

 

MBA大学院というのは、要するにこういったセオリーを講義やクラス討議そしてケースメソッドケーススタディーを通じて学ぶ場。

 

修士論文を読んでみよう

MBA大学院進学を考えた際に多くの人が不安、疑問に思うのが修士論文

論文って私にも書けるのかな、何を書いたらいいのという思いを持つのはは大学からしばらく遠ざかっていた人、大学生の頃あまり勉強しなかったよなあという人だけでないだろう。

私のオススメはずばりMBA大学院の修士論文を読んでみること。研究計画書をまとめる際の参考にもなりますしなんといってもたくさんの「現物」を見ることでどんなものかという全体イメージもつかめる。そして其の大学院の全体の研究指導の傾向も場合によってはわかるかしれない。

ほとんどの大学院の図書館で閲覧申請を出せば読むことができるがその手続や情報公開のレベルは大学院によってまちまち。

積極的に公開しているところもあれば図書館の学外利用が実質不可能のところなど対応はさまざま。そういうなかで比較的アクセスがしやすいところのひとつは多摩大学大学院MBAコース。ここは専用ページを設けて論文タイトルを紹介、品川のキャンパスに行けば原則現物を閲覧できるというご案内をしている。

 

MBA修士論文タイトル | |多摩大学大学院

 

図書館に行くのはややハードルは高いが大学の機関リポジトリアブストラクト(要約)をすべて公開しているのは慶応義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)ざっと目を通して見るだけでもいろんなことが判るはず。

 

慶應義塾大学学術情報リポジトリ(KOARA)

 

 

 

MBA大学院っていろいろありますが

MBA大学院に進学したいという相談を受けたり進学希望者との懇談みたいな小さなイベントを開催するようになってしばらく経つのですが、志望者から多い質問のひとつに「歴史のある大学の大学院(早慶や青山、中央あたり)に行った方がいのか、あるいはグロービスアタッカーズなどの「新興勢力」のカリキュラムも魅力的に見えるのですが...」というのがある。

グロービスもすでに20数年の実績もありそれなりの評価も定まっているので新興勢力とひとくくりにしては失礼かもしれないがやはり一般的には「ちゃんとした大学」ではないので不安があるといったところだろうか。

 

私はその運営母体が伝統大学かどうかこだわる理由はないと考える。

必要だと思う勉強をなるべく早く「その時」に勉強するほうが大事。

 

専門職大学院であるMBAはそもそも日本的「学歴」は意味のない世界。カリキュラム、教授陣については各大学院の特色やそれぞれの強みはあるだろうがレベル的な意味での上下関係は意識する必要はないのでは。(学歴ロンダリング目的で大学院行きたい人は別かも知れないが)

それよりも何より重視したほうがいいのは「通いやすさ」。中退者の話を聞くとほとんどが仕事の多忙期に連続欠席してそのまま通えなくなってしまったというパターン。大学院は通ってなんぼ、授業に参加してなんぼ。欠席時の代替策が講じられているか、授業開始時間、週末まとめ取りできるかなどを徹底的に調べることが重要。大学院の出自よりそっちを考えよう。

 

 

MBAでマーケティング、ブランディングを学びたい方にオススメ

MBAのカリキュラムでは欠かせないとも言える科目=マーケティング。いまどきのそのマーケティングってどうなってるのだろうという素朴な疑問に答えてくれる一冊。

とくにブランディングについてはあまりに実務寄りの説明や著者固有の定義が多く学習者としては理解しがたいところもあるが、この本はきちんとアーカー、ケラーの理論をもとに極めて判りやすくブランドコアやステートメントの考え方から構築までを説明してくれている。

マーケティングの一部としてのブランディングそして上位概念の経営学とは何かという俯瞰的視点がすばらしい。今からMBA目指す方にぜひオススメです。

ただ、この本で終わらないでぜひアーカーやケラーの本にまで入学後は進んでほしい。 

ここからはじめる実践マーケティング入門 (21世紀スキル)

ここからはじめる実践マーケティング入門 (21世紀スキル)

 

 

ワセダの挑戦 国内最大のビジネススクールへ

早稲田大学大学院経営管理研究科が改組、新研究科長の根来先生体制のもとふたつの研究科を合体させ、一段と規模を大きくしてスタートする。ちょっと前までは院生総数500と聞くと大学院としては大きいなあと思うほど例外的な規模になる。

よく考えてみるとこの500という数字はなかなか意味があるような気がする。米国のメジャーなビジネススクールはほとんどがマスターの院生数500から1000人程度(それにDBA、MDP学生などが加わる)。

レベル(学生の質、教育の質)と院生の数は、ことビジネススクールに関してはある程度比例する要素もあるようである。そもそも500人規模の院を運営、実質倍率1.6倍を維持できるのはワセダならではという面もある。一橋(神田)が学生集めに苦心しているのをよく研究している気もした。

 第一にカリキュラムを幅広く柔軟に提供できるメリットは大きい。CFOコースなど多彩な選択肢が院生に与えられるのは大きい。

やはり実学教育である(決まった理論だけ学ぶという意味ではなく)MBAの学習環境にはなによりも多様性が求められる。異なる経歴、バックグラウンドをもった院生同志のディスカッションは何よりも大事。そして出会う仲間の数、将来に続く人脈ネットワークを構築するためにはある程度の規模が必要。

さらに、この500人という数字もフルタイム、英語主体コース、夜間主コースMBAのデパート状態とした結果。つまりそれだけさまざまな志望者が来るということ。

もちろんこの「規模」がすべていい方向に働かないこともありえるだろうけどまずは欧米流規模が実現するであろう多様性から何がうまれるか期待したい。

 

 

いわゆる国内MBA難易度 リアルなはなし

ふつうの日本人の場合大学入試というとどうしても「難易度」と「偏差値」のふたつで考える癖がついてしまっているが、大学院はMBA含めてそのようなものは存在しない。とはいえ入学試験(面接、研究計画書のレベル感含めて)の難しさとどれくらいの準備が必要かの違いはやはり歴然とある。

その「難易度」と「要準備度」を知る一つの目安としては国内MBA受験専門の予備校ウィンドミル・エデュケーションズの以下の合格実績がひとつの指標になると考える。

 

国内MBA受験専門予備校 ウインドミル・エデュケイションズ!::2004年度合格実績

 

学部の入試のような高校の教科書(学習指導要領)をベースにした一発試験ではないので、いわゆる受験勉強とは異なり志望大学院の選考基準に即した「準備が必要」ということだ。関東に偏っているのはいたしかたないが、このリストに載っている大学院はやはりそれなりの準備が必要と考えていい。実際この予備校のカリキュラムは「熱血指導」レベルの濃さを感じる。

逆にこのリストに載っていない(常連でない)大学院は極端にいえばそれほどの準備をしなくても受験し入学を許可される確率はかなり高い。このグルーピングは情報公開で開示されている入試の実質倍率とも高い相関がある。

 

ちゃんと予備校に行ったりするなど準備して第一志望を目指すというのもすばらしいと思う。ただ難易度と入学後の教育や学習環境に比例するかどうかまでを断言はできないし、いつも言っている通りランクではなく本人が何をどう学ぶかの方が大きいので難易度に振り回される必要はないと思う。入学を遅らせてでも受験備をして難易度の高い大学院を目指すのもいいが、今すぐ入れるところでMBAを取るという選択もありだ。

 

 

今年もこの時期 MBA EXPO TOKYO2015

 こういうイベントに季節感感じるのも変だけど、ハロウインが盛り上がって恵比寿ガーデンプレスでバカラのイルミネーションの準備が始まるとMBA EXPO TOKYOの季節。

盛りだくさんの内容、大学院側もちゃんと準備していろんな疑問質問に答えられる体制を準備している。国内MBA進学を考えている方参加必須です。

行くなら時間を長めにとってセッションに参加するなどしてみることをお薦めいたします。

bizacademy.nikkei.co.jp

修士論文と先行研究

国内MBA大学院(専門職大学院に限らず広義で)では一部を除き必ずしも修士論文提出が学位授与の必須条件ではない。多くの大学院では修士論文と呼び方は違えどプロジェクト研究などのレポートにするか選択できる。

こういった修了要件が選択制の大学院では多くの院生は2年次になるとどちらをとるか悩むのではないだろうか。博士課程に進学を考えている方や学会での活動に関心ある方などは当然修論を選択するだろうが。

私は環境さえゆるされるのなら修士論文にチャレンジすることを強くおすすめする。またプロジェクト研究だから必ずしも特別易しい条件で学位がもらえるわけでもない。

なぜ修論にチャレンジすることをおすすめするか。

ひとつは、一生に一度くらいは修士レベルの論文を書くこと、そのプロセスを体験するのはその後のビジネスでも必ず生きてくると信じる。研究の目的、課題設定、先行研究調査、データ集め、仮説検証そして執筆編集と大学院らしい「お作法」での執筆プロセスは私のビジネスの経験に即しても終了後も貴重な血肉となる。その中には当然毎回の研究室での発表やプロポーザル審査などビジネスの現場でも必要なプレゼンテーションの勉強と練習になることだろう。

 

ふたつめは、そのプロセスの中でもとりわけ先行研究調査を行うことの意義と価値を上げたい。大学院と学部レベルの「卒論」との決定的違いはここであるといっても過言ではない。また多くの院生が修論でぶちあたる壁もこれだ。せっかく考えた仮説もすでに先行研究で検証されていた場合は異なるアプローチや路線変更が求められる。知らなかったではすまされないところなので調べる資料もたくさんになる。ということは勉強になるということ。

 

3つめは教授、ゼミ(研究室)仲間のとの関係が密になること。よく私も書いてるが大学院進学のメリットのひとつは人間関係構築だ。修論執筆を通してぜひ濃い人間関係を築いてほしい。

 

注目のMBA大学院 東洋大学大学院経営学研究科マーケティング専攻

MBAのススメはなにゆえ東洋大学に注目したかというと、私立大学の中ではでは頭ひとつぬけた(下がったというべきか)学費。ほとんどの私立の大学院が100万円を大きく超える初年度入学金の設定となっているがこちらは81万円。

各期は募集わずかに10人、在学生数も18人と小所帯の大学院。それでいて教員数あたり学生数は1.8人。多くの大学院もそうだろうけど経営的には厳しいんだろうな。あえて小規模で赤字の絶対金額も抑えたいという戦略もあるのかな。

 

もうひとつの特徴、この大学院の院生は若く(平均在学生年齢26歳)、女性が多い(7割)こと。

まだカリキュラムや教授陣を細かく見れてはいないが、通いやすく学費を抑えつつつマーケティング中心でMBAを取得したいという方は一考の価値ありでは。