国内MBAのススメ

人生変えたくなったら考えてみよう。日本のビジネスパーソンにもっと学びを。mbajapan@outlook.jp

MBA、というか「マネジメントEverywhere」の時代

また多摩大学大学院の話で恐縮です。この大学の回し者ではありません(笑)やはりイベントなどを通じた情報発信が多い学校だけにアンテナにもかかりやすいというのはありますが。

今日は真野俊樹教授と山田隆司先生による医療マーケティングと広報のお話を伺った。

この大学は医療・介護ソリューション研究所というのを設置しているそうだ。

 

日本の抱える医療の問題、とりわけ医療費の増大のマクロな要因分析に始まり成長産業としての医療の可能性、医療をとりまく社会扶助と地域の関係などをざっと説明いただき講義が開始。わかっているようで具体的な数字など正確なことは意外と知らないことに気がつく。

 現代日本の医療はその課題解決の方向性として医療だけの問題を超えて地域包括ケアシステム、住宅政策との連携など広い社会システムの中で考えなければいけないそうだ。なるほど。具体的な地域の取り組みなどを伺うとあらためて納得する。医療だけの問題ではなくなっているということは、その他の社会システムとの連携や複雑な組織設計とその運営も関係してくるというわけだ、ゆえにマーケティングや経営が今後この分野でも重要になってくるということだ。

ドラッカー的マネジメント論を導入したモデルも研究しているそうだ。ドラッカーにしてもコトラー(フィリップ)も経営、マネジメントを決して利益追求の私企業の枠で考えていないわけだから理にかなっているアプローチだ。

病院マーケティングと病院広報のお話もなかなか興味深かった。マーケティングと行っても企業のそれとの違い、短期的な患者集客策ではない、信頼獲得のための長期戦略が目的ということ。そして広報はマーケティングの成果を病院に還元するための付帯業務と位置づけられる。

 

そして、今日の話でもっとも印象深かったのは「必要性のないところに説明は不要(No Needs No Presentation)」、きちんとしたコミュニケーションの必要をステークホルダー間で共有しなければいけない。それゆえその必要性を作り出すことが大事という広報の理念。いかに正しく病院の経営(戦略)をステークホルダーに正しく関心をもっていただきそれを伝えるかということだ。

確かに病院のブランドは簡単ではないし信頼獲得は時間がかかるだろう。

理想は患者が救急搬送される際、息も絶え絶えの容態で「あの病院に運んでくれ」と言っていただくことが理想のブランディングというのには笑えた。

今のこういった状況で、上記のような時代の変化の中で変革を求められるというのに経営戦略がわかる医療従事者がいないことだ大問題だそうだ。

とはいっても例外的に改革をどんどん進めているような病院をつぶさに見てみるとすでにMBA取得者が管理部門だけ(それにしてもまだめずらしいだろうが)ではなく看護部門やリハビリにもいる場合がかなり見られるようになっているそうだ。

まさに経営やマネジメントがわかる医療人材育成が日本の課題。

 

いい形で日本MBA(海外のでももちろんいいが)がこのような企業以外の組織・分野において活躍することが定着するか注目。MBAがいたるところ(Everywhere)

で活躍する世の中に。