国内MBAのススメ

人生変えたくなったら考えてみよう。日本のビジネスパーソンにもっと学びを。mbajapan@outlook.jp

なぜ「国内」MBAなのか

本来ならどのような勉強でも国内外と分けることには意味がないと思う。いわゆるビジネススクールはアメリカで始まった制度とはいえ今ではヨーロッパ各国でも広く見られるし東南アジア各国、最近では中国でも気合が入ったものが設立されている。国による特徴はあるけどビジネスの世界共通言語としてMBAスキルのようなものはすでに確立しているといってよいだろう。そして外国で勉強する機会は人生を前進させるすばらしい機会だ。

そのような状況でもあえて「国内MBA」とこだわっているのは次のような考えからだ。

海外のMBAへのチャレンジはすばらしいことが一般的な意味でも語学・文化の壁を超えること、おおむね機会損失含め最低でも1000万円を超える学費など残念ながらやはりまだ特別な条件が整うことが必須で多くの人に「ススメ」られるものではない。また海外MBA進学については自身がトップスクール卒ですばらしい指導や情報発信を行っている方々が知人含めすでに多数いらっしゃる。こちらについてはそういう意味でも受験ノウハウなどに始まり高度な専門領域になるためブログでのエッセイにはなじまないと考えた。

国内MBAとはいえ300万円の学費と2年間の生活時間の投資が必要で特別な人の世界だろうといわれてしまうかもしれない。しかしあくまで比較の議論ではあるが「通える」「取得の可能性」という意味では国内MBAは広く門戸が開放されていると言ってもよいだろう。現在の専門職大学院は以前のカビの生えたような文系大学院とはまったく別物といってよい。さらにいえば国内の専門職大学院は年齢、経歴・学歴などは考えようによっては不問である。費用の観点からも条件が整えられれば多くは従来の勤務を続けながらの取得が可能である。通えない理由はいくらでも考えられるが自分を本気で変えたい、自分のライフを前進させるという決断ができた人にとってはあきらめなければならない理由はないはずである。

日本は今まで学部レベルの勉強をいったん終えるともう一度大学に入って勉強をし直す人は少数で、その割合は実は先進国最低である。25歳以上の高等教育への進学率はなんと2パーセント、OECD平均の26パーセントから見て実に10分の1以下なのだ。日本以外の社会人の学び熱はとんでもないことになっているのだ。いろんな意味で日本が行き詰っている原因のひとつは私はこの硬直化した教育制度と知識不足にあると考えている。グローバル化のもと変化の速いビジネス環境(内需産業でも)では最新情報を得る学習リテラシーともいえるスキルは必須である。

そういう意味でMBAのようにビジネスを体系的な知識やロジックで整理するノウハウが普及することはいろんな意味で危機的状況を迎えつつある日本にとって重要なことだと考える。米国ではMBA弊害論が出て久しいが日本では心配しなくてもMBA理論がまかり通って現実から乖離するような心配はまだ何十年も無用だと思う。むしろ"MBA Everywhere"のような状況こそ望まれるのではないのだろうか。

さらには国内MBAのカリキュラム固有のメリットもいくつか見いだせる。(そうでなければ少数ではあるが留学生は来ないだろう)また国内MBAだから英語や国際情勢に目をむけなくてよいということではな。こあたりはおいおい書いて行ければと思う。